南紀白浜

南紀白浜へ行っていた。





いろいろ巡ったのだが、そのなかで珍品（失礼）を発見した。

「三段壁」という自殺の名所でもある、断崖絶壁の名勝である。

問題は三段壁そのものではなく、
その地下の洞窟にある、「牟婁大弁財天」である。
これ。





真ん中に鎮座し、周りにもろもろはべらせているのが弁財天らしい。
そもそもこの洞窟、その昔は、勇猛果敢で知られる
熊野水軍の根城であり、そいつらの本尊であった・・・
というのだ。

そのことに異論があるのでもない。
肝心の弁財天。画像が小さいがよーくみると、手が複数本ある。
なんだか、千手観音を思わせる。
←千手（千眼）観音
千の手で、どんな衆生も救済する
慈悲の広さを表している。
らしい。





また三段壁弁才天の手には数々の武具、持物がある。
特に右手には、金色に輝く宝剣が握られており、
他には独鈷や斧も持っている。
その姿はあたかも不動明王のようである。
←不動明王
最高仏・大日如来の
怒りの具現化だそーだ。






どうでしょう。三段壁の弁財天。神仏なのであまり言いたくないが、
なんか違う気がしませんか？
ありがたいのはありがたいんだけど、ありがた迷惑っつーか・・・
ちなみに一般的な弁才天は
←弁財天
元は古代インドの神で音楽神とされ、
福徳神、学芸神など幅広い性格をもつ。






こんな姿です。

ついでにいうと、三段壁弁才天、「後光」までさしてます！！
すげー！仏様ですか！？
さらに言うと、額に「鳥居」がついてます！！
人間界と神界の境界線！

すごい！すごすぎる！
ガンダムの頭部にエヴァンゲリオンの胴体で、
コンバトラーの腕にマジンガーの足。
とかそんなことを想像してしまった（笑）

コイツが発進すれば、どんな悪党もひとたまりもなかろう。

しかし！
しかしよ、こんなパクリロボットのよーな神仏を
熊野水軍が信仰して、ましてや霊験あらたかにお祀りしてよ、
なおかつ,、三段壁全体でだが1200円も設定しているのか？
↑実はコレが一番言いたい。やや高いです。

というわけで弁財天、改めて調べてみた。

「原語の「サラスヴァティー」は聖なる河の名を表わすサンスクリット語である。元来、古代インドの河神であるが、河の流れる音からの連想から音楽神とされ、福徳神、学芸神など幅広い性格をもつ。像容は8臂像と2臂像の2つに大別される。」

なんだよ！手が8本って、マジなんや！？びっくり。
そして・・・すみません。
続き。

「8臂像は『金光明最勝王経』「大弁才天女品（ほん）」所説によるもので、8本の手には弓、矢、矛（ほこ）、鉄輪、羂索（けんさく、投げ縄）などを持つと説かれる。」

持ってるんや、ソードもランサーもアローも・・・

「一方、2臂で琵琶を奏する形の像は、密教で用いる両界曼荼羅のうちの胎蔵界曼荼羅中にその姿が見える。ただし、胎蔵界曼荼羅中に見える2臂像は、後世日本で広く信仰された女神像ではなく、菩薩形の像である。」

すみませんでした。ある種正しい御姿だったのですね。

でも額に付いた「とりい」
あれだけは納得できんのですが。
もしかして、そーゆーのを、「蛇足」というのですか？

だそく【蛇足】
《昔、中国の楚(そ)の国で、蛇の絵をはやく描く競争をした時、最初に描き上げた者がつい足まで描いてしまったために負けたという「戦国策」斉策上の故事から》付け加える必要のないもの。無用の長物。
　Yahoo!辞書より転載