内心

保釈金を積んで、シャバに戻ってまいりました。




昨日、自動販売機でタバコを買おうとしたら、
1000円札も100円玉も持っていなかった。
その自販機が置いてある店は薬局で、まだ開いていたため
そこで両替を頼もうと店に入った。

右手のレジではねぇさんが客をさばいていたが、
店の奥のレジにも妙ににこにこした男が立っていた。

当然ねぇさんに頼みたかったが、仕方が無い。
妙ににこにこした男のレジへ向かった。

「はい、いらっしゃいませ。」
男は妙ににこにこと言った。
オレは用件を伝えようとした。
「すみません、タバコを買いたいんですが・・・」

その時である。

「いやぁ~すいませんタスポでしょぅ私タバコを吸わないんで・・・」

男は満面の作り笑顔で言い放った。
どうやら、オレがタバコを買うためにタスポを借りに来た、
と一瞬で勘ちがいをしたようだ。

どうでしょう？
この、「人の話を聞かずに返事する」という行為。
しかもいい年のヲサーンが。
ヲサーンでなくても、
このようにコミュニケーション能力に欠けるということは
客商売を名乗り店頭に立つ者にあるまじき愚行ではないか？
ましてコイツの名札には「転調」
・・・いや、「店長」と書いてあるのを見逃さなかった。

ついでに言うとコイツの作り笑顔には、
「ばーか！ずぅずぅしい事言うな！貸すもんか！
でも、バッサリ断るのはオレの店長としての矜持に反する。
持ち前の愛想の良さでやんわりとお断り差し上げますよ。
ほれ！オレの笑顔攻撃を破れるか！？」
という内心がみえみえであった。

オレはその瞬間、目尻の隣にピクッとするものを感じ、


「1000円札にして下さい。」

と5000円札を放り置いた。

その内心には、

「やかましいわ！この糞ボケ！人の話を聞いてから返事しろ！
誰がタスポとか言うた！タスポくらい持っとるわ！糞包茎野郎！
それよりお前、そんなチンコみたいなコミュニケーション力で
よく店長を名乗っとるなアホンだら！」

と言う気持ちを忍ばせておいたのだが、
アナル野郎は気付いてくれただろうか？




オレはその後タバコを買い、外まわりに出た。

その時財布を鞄にしまったのだが、
確かに鞄にしまったのだが、
しまった筈なのだが、
翌朝、つまり今朝、
財布がないことに気付いた。

ファッキンソーバッドである。

今日、ケーサツへ遺失届けを出して、各カードの機能停止を依頼しました。
うぅ・・・（泣）

いや、こういうときこそ、勇気と元気とエロをもって言うのだ。

「良かった、ついている！」と。
うぅ・・・（泣）