『先義後利』を秘めつつも、その実ヘヴィメタと映画とエロにまみれる日々 修行が足ら~ん
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それではいってみまShow!スウィニー・トッド / フリート街の悪魔の理髪師
なんというか、暗い。ひたすら重く、そして悲しい。
先ほど、つまり深夜に居間のプレイヤーで観たのだが、
観終わってしばし固まっていた。
考えたらそりゃぁそうよね。
ガス燈で灯りをとる19世紀のロンドンが舞台であるため画面も暗い。
そこで、愛する妻と子の復讐の為惨殺を繰り返す“悪魔の理髪師”の話だから尚暗い。ましてあんなエンディングではどんよりするわな。
***
とはいえ、ジョニー・デップ演じる悪魔の理髪師の殺しっぷりは笑える。
(画像はクリックして拡大で見てね。)
「いらっしゃいませ」
「そして、永遠にさようならー」
「ブシュゥゥー!」
ペダルひと踏みで
真っ逆さまー!
必殺回転地獄椅子(仮称)!
このシーン、欧米(正確にはオーストラリアだが)では爆笑だったそうだ。
まぁ、復讐にたどり着けない腹いせに無差別に殺しまくるのだからね。
***
ちなみにスウィーニー・トッドが斬りまくり殺しまくるにはもう一つ理由がある。
この理髪店、Mrs.ラヴェットのミートパイ屋の2Fにあるのだが、
このパイ屋、肉の値段急騰のあおりを喰らいまったく繁盛していない。
そこでMrs.ラヴェットは人肉パイを思いつく。
死体の処理と食材調達の一石二鳥というワケだ。オェェェェェェー!
陰惨極まりない話の中に奇妙な笑いがあるのはティム・バートンだからか。
そうだ。ティム・バートン(監督)だからだ。
パイ屋が繁盛したためMrs.ラヴェットはトッドに求愛する。
以下はMrs.ラヴェットの妄想シーン。
上段左:二人でピクニック
上段右:海を眺める
下段左:バルコニーでくつろぐ
下段右:金曜日にお客さんを招待
上段左:腕を組んで散歩
上段右:結婚式
下段左:夕焼けに佇む
下段右:ピクニックに戻る
ラヴェットの妄想は膨らむばかりだが、よく観ると復讐を終えていないトッドの表情は終始暗く、うつむいたままだ。
そんな陰鬱な表情のトッドだが、このシーンはもともとラヴェットの妄想シーン。
だからこそ、トッドのコスプレ(?)はキチンとされているのが可笑しい。
しかし暗い画面の中に潜むカラフルさは何なのか?
上の2枚の画像中、ラヴェットが日傘を差しているシーンは、息をのむくらい美しいし、逆にピクニックの、今にも大雨が来そうな曇天も、これはこれで美しい。
彩色をググッと抑えてある割には凄い彩り感を感じる。
***
最後に。この映画はミュージカルです。
無実の罪を着せられても復讐の計画をたてていても、カミソリ片手にミヤリと笑っても、乞食女がパイ屋の煙突の異臭を訴えても、終始歌ってます。
ラストシーンでトッドとラヴェットが歌い踊るシーンも、足元に死体が転がっているのですよ。
まともに撮れば陰惨この上ない物語を、歌とティム・バートン演出が上手く中和したということなんでしょうか。

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