囚人

見るつもりはなかったのだが、洋画劇場ハリー・ポッター。
「謎のプリンス」公開記念で「アズカバンの囚人」であった。
結論を言うと、以前に見た2作「秘密の部屋」、「炎のゴブレット」に比べ
はるかに面白かった。
とはいえ「秘密の部屋」にはむかつく記憶しかないし、
「ゴブレット」も途中で2回寝てしまったので、“はるかに”とか言っても
知れてはいるのだが。

作風は一応タイム・パラドックスになっていて、
伏線もちゃんと生かしていたのではないかと思う。

ハーマイオニーが時間を戻してヒポグリフを救ったあたりから
面白くなってきて、つじつまも合っているようなのだが、
あそこで救えるなら旧の時間の時に救ってしまえるのではないか？
でも救ってしまったら事実が変わってしまうからダメか？
でも結果的に変わっているし。
どっちでもいいわ。

しかし長い。無駄に長い。
ハリーがおじさんの家で虐げられているシーンとか、
授業の様子とかいらんし。
原作を読んでる人たちから見ると、端折りすぎなんだろうが、
いち映画ファンから見ると、あの序盤の展開の遅さはつらい。
実は今回もウトウトしてしまった。

それに見るたびに思うのだが、なんかセリフがおかしい気がするのだね。
例えば、犬状態のシリウスが人狼ルーピン先生にやられ
森の奥に逃げる。
それをハリーが追うのだが、ハリーは“無言で”追う。
この時点でシリウスは、ハリーにとって重要な人物となっている。
普通、自分にとって重要な人物が傷つき、それを追うのなら、
名前を叫ぶのではないか？
「シリウスーーーーー！！！」って。

更に言うと、ハリーは言葉が少ない。
もっというと表情に感情の起伏があまり出ない。
そんな設定なのか、ダニエル君の演技が下手なのか？

いずれにしても、それにより緊迫感が全く感じられない。
・・・のはオレだけか？

ちなみに映画批評サイト「みんなのシネマレビュー」での点数は

　・賢者の石・・・5.52点
　・秘密の部屋・・・5.9点
　・アズカバンの囚人・・・6.45点
　・炎のゴブレット・・・5.65点
　・不死鳥の騎士団・・・5.6点

だそうだ。

「アズカバンの囚人」が他より高得点であるのは成る程そうか、
と思わせるが、それ以外の作品が軒並み5点台である。
この点数は名探偵コナンやドラえもん並である。

何百億円かけているのか知らんが、
それで5点台はないぞ。
もっとも、ハリー自体、コナンやドラえもんと同等ならばそれでもいい。
だったら時間を短くコンパクトにしてくれ。
小説の完全映画化なんて所詮無理なのだから。