秀逸

いやいや、久しぶりでございますな。

買い物中に人妻の尻に見とれて後を付いていったら変質者扱いされてですね、いままで拘置所にいました。
気をつけようね。

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　♪
　上を向いて　歩こう
　涙が　こぼれないように
　思い出す　春の日
　　一人ぽっちの夜

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最近サントリーのCMでタレントたちが歌ってますな。

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〝上を向いて歩こう〟と前向きなわりに
その理由は〝涙がこぼれないように〟というもの。

上を向いていないと、つまり下を向いていると泣きそうなほど悲しいのですな。
もう泣いているのかもしれない。
「悲しい」や「淋しい」という言葉を使わずに「悲しさ」や「淋しさ」を表現している
秀逸な歌詞ですな。

〝思い出す　春の日〟
今は夏か秋かは知りませんが、また、何をかは知りませんが回顧しておるのですな。

〝一人ぽっちの夜〟
「一人」でなく「一人『ぽっち』」ですよ。
「一人『っきり』」とか「一人『ぼっち』」も同類でしょうな。
「一人」で終わるよりも「一人」であることが強調されています。
『ぽっち』という言葉で「淋しさ・悲しさ」を表現する。
ここもまた秀逸ですな。

多分、〝春の日〟にはこの人含め複数だったんでしょうな。
おそらくは彼女。または友人。優しくしてくれていた祖父を亡くしたのかもしれない。
或いは春の日に何かあったのかもしれない。
人は大勢の人たちに囲まれていても孤独を感じることってありますからな。

いずれにしても秀逸ですな。

作詞は永六輔。作曲は中村八大、歌ったのは坂本九。
この3人は「689トリオ」という、めっちゃ昭和なベタネーミングで呼ばれていた。
「689」だから「7」がない。
この話を聞いて木の実ナナが「上を向いて歩こう」のカヴァーを断った…
という話は嘘です。

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