描写

「16ブロック」

昨日TVでやっていた映画だ。

ブルース・ウィリスが主演ということでいくばくかの期待をしてみていたが、
見終わってから文句が噴出した。

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NY市警の刑事ジャックに課せられた任務は、16ブロック(区画)先の裁判所に証人を送り届けるだけのごく簡単なもの。
だが、護送中、何者かに襲撃されてしまう。
その証人が警察内部の不正を目撃していたのだ。法廷での証言開始まで残された時間は118分。NY市警vs1人の刑事。ブルース史上、最も壮絶な戦いが始まる!　（amazonより転載）

※ネタバレしますのでこの先に注意※

実はジャックも不正をはたらく悪徳警官なのだ。
その不正に罪悪感を抱くあまり酒におぼれているのだが、
「その辺の描写がない」

囚人護送中に出くわした襲撃事件を隠蔽すべく登場したのは
ジャックの不正仲間のフランク。
フランクがこの囚人を射殺しようとしたその時、
ジャックは仲間を撃つことで不正との決別を宣言した！
「しかしここも、“葛藤”や“心境の変化”についての描写はない」

つまり、アル中のくたびれた警官が突然反旗を翻しただけの描写なのだ。
役者がウィリスだからなんとなくそのまま見てしまうが、
こんなにも説明のないまま物語に動かれても困る。

護送の任務についた時のウィリスは徹夜明け（と思われる）。
「徹夜明け・二日酔い・アル中・悪徳警官」
この状況で「ブルース史上最も壮絶な戦い」が始まると思うかね？
はっきり言ってダルダルである。

但しこのダルダルは演出的にダルダルではなく、
設定上のダルダルだから、ここは何も言わない。

さて反旗を翻したジャックは囚人エディをつれたまま
不正警官の追跡を凌ぐために奔走するのだが、
この映画は「わずか16ブロック」と「10時までに裁判所入り」の
2点がポイントとなる。

どうでしょう？
・あえて危険を冒してまで不正と決別したアル中のウィリス。
・執拗に追ってくる悪徳NY市警。
・目的地はわずか16ブロック先。
・タイムリミットは午前10時。
ワクワクする設定でしょう？

しかしこの映画、「あとXブロック」、「あとX分」という描写を
一切入れない。
緊迫感のないことおびただしい。

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監督はリチャード・ドナーという人。
オーメンやらスーパーマンやらリーサル・ウェポンやらを撮った人らしいので、
ワタクシ如きがとやかくいうのは筋違いなのでしょうが、
それにしても演出に疑問が多いわ。

緊迫感を求める作品ではなく、人間ドラマを描いた作品だととしても
描くべき点はもっとあったのではないかと思われる。

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問題
あなたが車で走っている時、田舎のバス停に差し掛かりました。
そこには、3人の人がいました。
1人は「病気で死にかけている老婆」
2人目は「命の恩人である大親友」
3人目は「あなたの理想である最愛の女」
しかし車は2人乗り。
さてあなたはどうしますか？

囚人エディがジャックにだした問題です。

あなたはどうしますか？

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