『先義後利』を秘めつつも、その実ヘヴィメタと映画とエロにまみれる日々 修行が足ら~ん
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この前の記事「砂の器」も見てね。
さて「点と線(昭和33年・東映)」。
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九州の海岸で発見された心中死体。刑事役の名優加藤嘉は、男が所持していた食堂車のレシートが「お1人様」となっていることに気付き、心中そもそもに疑問を抱く。やがて事件は警視庁に委ねられ、捜査は東京へと舞台を移す。
捜査を引き継いだ警視庁の刑事役は〝新人〟のテロップが付いている南廣。(この人知らないぞ…。)
展開は「砂の器」同様、わずかな手がかりからコツコツ捜査をしていくが、この南さんの演技がいただけない。一人で熱くなるのがウザいばかりか、セリフがまるで棒読みなのだ。加藤嘉はじめ、周りの俳優陣が非常に自然で深い演技をしているのにもったいない。
物語として惜しいのは、ラストに事件の総括的な説明がないこと。ラストに至るまでにアチコチにばら撒かれた真相の一部を脳内で繋ぎ合わせないといけない。金田一少年張りに関係者一同を集め、「犯人はあなただ!」とやらなくても「まとめ」は欲しかった。
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とは言えこの作品には、いわゆる推理小説の「トリック」がある。東京駅の線路越しに向こうのホームが見通せる4分間、目撃者証言の利用、搭乗者名簿の悪用など、読者(視聴者)の心理を鋭く突く秀逸なトリックだと思われる。
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以上なんですが。
映画が地味だとレビューも地味やな。
5.7点

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