一生そうしてろ！

　本日、バイト某君の初勤務であった。この男・・・めんどうなので仮にパクとしておく。韓国人ではない。日本人である。

　わが社はこのパクに、パクがやった事のない業務をやらせた。とはいっても仕事とはそんなものであろう。自分がやったことのある仕事しかしないのはそれしか出来ないのであり、イコール仕事ができないということである。

ただし今回のパクの業務は、パクの得意分野に極めて近しいものであった。
例えていうと、パクは外科医である。あくまで例えである。外科医の免許ももっており、長年総合病院に勤めたという。一時期、個人病院にも勤めてもいた。
わが社は個人病院である。しつこいが例えである。実際は医院ではない。

わが社は個人病院であり、パクに与えた仕事は内科であった。ムチャなようだがムチャではない。パクは内科の免許ももっているのだ。もっとも外科の免許を取る前だが。診察は・・・したことないらしい・・・

　問題はというと、まったくない。
医科大を出た税理士（そんなの居るか？）に内科の診察をやらすより、内科の免許をもっている外科医に診察させたほうがよっぽどましだ。ましてや建築士に無理を言っているワケでもない。至極まっとうである。・・・はずだ。・・・と思うが。
問題があるとしたらパクへの任務が小児科であったことだ。

パクは「小児は診たことがない」という。
だからこそオレの出番なのだ。オレは外科の免許はない。が、小児は何千人も診ている。触診もすれば注射だってする。扱いは慣れているつもりだ。小児が苦手というパクに小児検診の心得を説いてやった。

　ところがこのパク！反抗するのだ！

おまけに、「僕はxxxと思います。」と、意見まで述べやがるのだ。

もう一度書きますね。「パク君は、小児科の診察経験がありません。」
「ワタシは何千人もの小児診察経験があります。
そこで、小児診察のポイントを教えたら、自分の意見を言いました。」

　料理経験のない奴がファミレスにバイトに行って自分の意見を言うか！？
どうしたらそんな発言がでるのか、オレは耳を疑った。しかし、その謎は瞬時にとけた。だれでもわかると思う。それは、「外科医のプライド」であった。

プライドで飯は食えないとはよく言ったもので、パクはこの典型であった。事実、飯を食えていない。
無職なのだ。パク。年齢は伏せておくが、その年で独身はないぞ。


　この日、オレはパクに与えた仕事をしてもらう二人目のバイトに採用の電話をした。名はジェニーという。主婦だそうだ。おそらくオレは、ジェニーに仕事を流すだろう。ジェニーがこれない日のみ、しかたなくパクに電話をする。

　パク君、己の立ち位置、心の向きに気付くだろうか？伏せたくなるくらいの年齢だが、気付いて努力をするに、遅いということはないだろう。

人のいうことは聞き入れよう。誰が完璧なものか。