忍者ブログ
『先義後利』を秘めつつも、その実ヘヴィメタと映画とエロにまみれる日々 修行が足ら~ん
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

その部屋には灯りは点いていなかった。
六畳の和室である。
灯りは北東の方向にある窓から漏れる月の光だけであった。

月明かりにほの暗く照らし出されているのは人の姿であった。
部屋の中ほどに男が正座していた。
男は白地に細いストライプの入ったボタンダウンのカッターシャツを着て、サマーウールのグレーのスラックスを履いていた。
髪を整髪剤で整え眼鏡をかけたその姿は、どこから見てもそこらに居るサラリーマンという風情であった。
Jericho。
それがこの男の名前であった。

Jerichoは目を閉じていた。
その部屋に入って既に2時間は経とうとしているが、Jerichoは目を閉じたままであった。
部屋には物音一つない。
窓の外からは鈴虫や松虫の鳴き声がしていた。
松虫の鳴き声が止んだ時、ふいにJerichoがゆっくりと目を開けた。
ゆっくりと開けられたその双眸には深いとも冥いともいえぬ〝澱〟のようなものが漂っていた。
その〝澱〟は瞳の中でちらちらと燃えているようでもあり、凛とした冷気を放っているようにも見える。
いずれにせよ、なにものも寄せ付けない鋭敏な空気をはらんでいた。
それは通常〝殺気〟と呼ばれるものであった。

Jerichoは膝を立て、手を前に伸ばした。
左手に右手を添えて左へ横に動かした。
押入を開けたのであった。
押入れのふすまは音を立てずに開いた。

Jerichoは押入れに手を伸ばし、中から長い棒状の物を取り出した。
窓からの月明かりに映し出されたそれは、日本刀であった。

…つづく。


blogram投票ボタン blogramランキング参加中!
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
ドキドキ・・・・・。
陰毛寺 2011/09/22(Thu)12:38:45 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
名言集
Jerichoのおすすメタル
Jerichoのおすすメタル
更新履歴
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
解析ツール
blogram投票ボタン
blogram
プロフィール
HN:
Jericho
性別:
男性
職業:
尻旅人
趣味:
ヘヴィ・メタル 映画 エロ パスタ作り
最新記事
(01/18)
(01/14)
(01/07)
(01/06)
(01/05)
最新コメント
[01/19 陰毛寺]
[01/15 陰毛寺]
[01/08 陰毛寺]
[01/07 陰毛寺]
[12/28 陰毛寺]
カウンター
成分解析
携帯Black Hole
インフォメーション
全国統一HONDA模試
Horror Village!
ホラーエンターテイメント
Horror Village!
最新トラックバック
解析ツールⅱ
ランキング参加中!
blogram
忍者ブログ [PR]