廃墟

今日S支社にての業務の後、各戸巡回の外回り業務に出た。

夜も7時を回っていたが、前回まわった時に1軒のマンションを残したままだったのが気になっていたため、そのマンションだけでも・・・と思い、夜の住宅街へと繰り出した。

以前もそのマンションを遠目に見ていたが、いざ訪れてみて驚愕した。
「お化け屋敷」の様な・・・とはこのマンションのことだ。
いや、「廃墟」といっても過言ではない。
ここ↓までヒドくはないにしてもこんな感じ。








裏から見ても電灯の点きが少ない。
恐る恐る中に入ってみた。
薄暗い。

1Fエントランスには多数の張り紙があるが、
カレンダーの裏にマジックでなぐり書いたような乱雑なものである。

階段はマンションの両側にあるタイプ。
鉄製で、ひと足上る度にギシリと音をたてる。
西側から登るとその階の2号室の前に出て、
9号室まで続く廊下が東西にのびている。

廊下に電灯は点いていない。
廊下に面した窓のいくつかに灯りがある。
各部屋の台所と思われる。
その灯りを頼りに歩いてみる。

部屋のドアの表貼りは化粧合板。
めくれているドアも多い。
表札など立派なものをつけている部屋はない。
名刺の裏に名字を書き込みガムテープで貼り付けてある。
インターフォンはついておらずのぞき穴もない。

今からこのドアをノックするのかと思うと、
たまらなくドキドキワクワクした。

おそらく・・・
「20年近くおまんこを舐めていないような小汚いおっさんが出てきて、
20年近くチンコを入れられることもなく生理があがってしまったような
ばばぁが出てきて、
社会の底辺で虐げられているような皺くちゃのおっさんが出てきて、
あまりの我の強さに周りが見えず、長年疎外され続けているような
垢まみれのばばぁが出てきて・・・」
Jerichoはいわれのない言いがかりをつけられてしまうのであろうか！？

どうなる！？Jericho！！

チャイムを押してみる！！

「はーい」
中から人が出てきた。
オレは目がくらんだ。













極上の美人若妻が出てきたのだ。

誇張も虚言もなく、紛うことなき美しい若妻であった。
よくマンガでその一瞬、その人の周りに薔薇の花が咲く。
その美人若妻は明らかに薔薇の花を背負って登場した。

しかも部屋の中はキレイ！壁のクロスが白い！
家具も新しい！
　　こんな↓感じで　　　　　　　　こんな↓印象！！







オレはそれまでの印象と180度異なった出来事に
一瞬言葉を失い、ほんの少し動揺した。
まぁ、用件は済ませたし、エロセンサーも起動した。
但し動揺ゆえ、瞬間全裸機能までは発動させられなかった。
残念・・・。

てゆーか、なんであんな廃墟のようなマンションに
あんな美しい人がいるかなぁ？
反則であること甚だしい。

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